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キッチュ
キッチュ_b0068658_2581535.jpg








<エリザベート>…オーストリア、ハプスブルグ家 最後の皇后。

同時期に再演。
双頭の鷲<作 ジャン・コクトー>

ミュージカル<エリザベート>

同じ題材を取り上げた舞台でも、全くの別物に見える。
同じ役でも演じる俳優によって、真逆の一面が強く醸しだされたり。
演出家×演者×観る側の解釈…って山ほどあるんだなぁ。

ただどちらのエリザベートも、父親の血を見事に引き継ぐ自由人。
元々皇帝に生まれたこと自体が合ってなかったのね。
ましてや嫁ぐとガンジガラメ。
形式や義務から逃れたい気持ちが募るばかり。
生きてる限り逃れられなくて、死に憧れる…
その死さえ自分の思い通りに出来ない。
究極の束縛。

<双頭の鷲>では、革命詩人スタニスラスが彼女の命を狙う。
が、お互い惹かれ合い、彼に殺されるなら…と本望になるエリザベート。
自分で自分の最期を選ぶ。

<エリザベート>ではルキー二が暗殺者。
劇中では、彼女を死に誘う黄泉(よみ)の帝王<トート>が出てくる。
彼に反発しながらも、最期は自分から彼の中へ飛び込んでいく。

私だけに<ウィーン版 エリザベート>
なんかスキデス。

ひとり自由になりたいのではなく、心の赴くまま自分で選ぶ自由が
欲しかったのかと思う。
劇中にも出てくる<キッチュ>…ドイツ語で<まがい物>とかいう意味らしい。
自分を抑えて生きていく、ホントの自分はどこなんだ?!って感じ?
堂々のニセモノ、浮いた存在。それはそれで成り立つ。
第三者から見れば、立派にひとつの個性にもなり得る。

ルキー二が唄う Kitsch~キッチュ~
めちゃ、うま!!
by maui-j | 2008-09-11 03:41 |
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